土木・建築の施工管理技士で取れる建設業許可業種

専任技術者としての要件を、実務経験10年で証明しようとする方と、施工管理技士の資格で証明する方の両方を並行して準備していると改めて許可申請書類における、その扱いの差を思い知らされます。

令和2年10月1日の改正建設業法施行により、経営業務管理責任者としての要件の中で、許可を受けようとする業種以外の建設業に関して6年以上の経験(法7条1項の「ロ該当」)が廃止されて、5年以上に統一されることになっています。

そこで令和2年8月現在、建設業新規許可申請を準備しているお客様のうち一級土木施工管理技士を有する社長様は、改正建設業法が施行されるまで申請を待って10月上旬にスケジュールを変更しました。

その社長様の経営業務管理責任者の経験として証明する請負工事の実績は、公共の土木工事における下請けであり、とび・土工・コンクリート工事業に該当します。

9月末までの申請であれば、取れる業種はとび・土工・コンクリート工事だけに限定されてしまいますが、10月以降に申請することにすると、次の9業種が一度に許可をとれることになります。

土木一式、とび・土工・コンクリート、石、鋼構造物、舗装、しゅんせつ、塗装、水道施設、解体

ちなみに仮に、一級建築施工管理技士の資格を有していた場合を想定すると次の17業種が一度に許可を取れることになります。

建築一式、大工、左官、とび・土工・コンクリート、石、屋根、タイル・レンガ・ブロック、鋼構造物、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上げ、熱絶縁、建具、解体

令和2年10月の改正建設業法の施行で経営業務管理責任者の経験に関しては緩和されていきますが、専任技術者の要件に関しては何ら緩和されません。資格の取得に関しては、二級施工管理技士の取得から実務経験を積んでの、
一級施工管理技士へのキャリアアップを促す制度に変更されています。

建設業許可申請においては、従来どおり施工管理技士を始めとする国家資格を優遇する制度が維持される見通しです。

 

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この記事を書いた人

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塩﨑 宏晃

2003年行政書士登録。
建設業許可・経営審査業務の実務経験19年。
行政書士業務を通じて現場で働く方の縁の下の力持ちとなることがモットーです。
近年は建設キャリアアップシステム、特定技能ビザにも取り組んでいます。
お客様は一人親方、サブコン、地方ゼネコン、上場メーカーなど様々。
毎年200社以上のお客様と直接お会いし、ご相談を承っています。
2023年から申請のオンライン化が本格スタートしますので、
これを機に遠方のお客様ともご縁を頂ければと考えております。