経営審査における技術者の配置についてのチェック項目

経営審査においては、工事経歴書と技術職員名簿を照らし合わせながら、次の法令順守がなされているかどうか審査がされています。

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1.現場専任の技術者

 公共性のある施設(個人住宅・長屋以外)に関する工事が、請負金額が税込みで4,000万円(建築一式は8,000万円)以上となる場合には、その工事現場に配置すべき主任技術者または監理技術者は現場専任であることが求められます。この工事期間中は、ほかの工事の現場に配置することができません。

「専任が必要な工事」以外の工事(請負金額が4,000万円未満の工事など)であれば主任技術者は、複数の工事現場の兼務が可能です。ただし、主任技術者が各工事現場においてその職務を誠実に行うことが可能な範囲に限られます。

 

公共性のある施設とは?

公共性のある施設(公共性のある施設若しくは工作物又はは多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事)とは次の工事をいいます。

①国又は地方公共団体が注文者である施設又は工作物に関する建設工事

②鉄道、道路、河川、飛行場、港湾施設、上下水道、消防施設、電気施設、ガス施設、学校、図書館、美術館、病院、百貨店、ホテル、共同住宅、公衆浴場、教会、工場等の建設工事

→個人住宅・長屋を除くほとんどの施設が対象です。

 

「工事現場ごとに専任」とは?

専任とは「他の工事現場に係る職務を兼務せず」、常時継続的に工事現場にかかる職務にのみ従事していることをいいます。しかし必ずしも工事現場に常駐していなければならないわけではありません。

例えば、「技術研鑽のための研修、講習、試験等への参加」、「休暇の取得」、その他の合理的な理由で監理技術者等が短期間工事現場を離れることについては、適切な施工ができる体制を確保(必要な資格を有する代理の技術者の配置、連絡を取りうる体制及び必要に応じて現場に戻りうる体制の確保等)し、その体制について、発注者や元請、上位の下請等の了解を得ていれば、問題はありません。

そしてもう1点注意事項があります。それは「営業所における専任の技術者」は、現場の主任技術者(又は監理技術者)になることができません。

 

専任技術者についての注意事項

「営業所における専任の技術者」は、請負契約の締結にあたり技術的なサポートを行うことが職務ですから、所属営業所に常勤(テレワーク含む)していることが原則です。

ただし例外的に、技術者の専任が求められない工事であって、①当該営業所において契約締結した建設工事で、②当該営業所の職務を適正に遂行できる程度近接した工事現場で、③当該営業所と常時連絡をとれる状態である場合には、当該事現場の技術者になることができます。(①〜③の全ての要件を満たす必要があります。)

関連記事 専任技術者についての詳しい解説はこちら

 

複数の現場を兼任するには? ~管理技術者補佐の配置~

監理技術者の職務を補佐する者(監理技術者補佐)を、工事現場に専任で置く場合には、監理技術者の兼務が認められます(この場合の監理技術者は、「特例監理技術者」という。)。

特例監理技術者が兼務できるのは2現場までです。また、監理技術者補佐になれるのは、主任技術者の資格を有する者のうち、次のいずれかに該当する者です。

■1級の技術検定の第1次検定に合格した者(1級施工管理技士補)
■監理技術者の資格を有する者

 

複数の現場を兼任するには? ~主任技術者が兼任~

公共性のある工作物等に関する重要な工事のうち「密接な関連がある2以上の建設工事」を「同一の建設業者」が「同一の場所または近接した場所において施工する」場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの工事を管理することができます。(この規定は専任の監理技術者には適用されません。)

 

複数の現場を兼務するには? 

公共性のある工作物等に関する重要な工事で、以下の①②の要件を満たし、全ての注文者から同一工事として取り扱うことについて書面による承諾を得た上でこれら複数の工事を同一の工事とみなして、同一の主任技術者または監理技術者が当該複数工事全体を管理することができます。

(各工事の発注者は同一又は別々のいずれでも可)

①契約工期の重複する複数の請負契約に係る工事であること

②それぞれの工事の対象が同一の建築物又は連続する工作物であること

この場合、その全てを下請として請け負う場合を除き、これら複数工事に係る下請金額の合計が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上となる場合は特定建設業の許可が必要であり、工事現場には主任技術者に代えて監理技術者を設置しなければなりません。また、これら複数工事に係る請負代金の額の合計が4,000万円(建築一式の場合は8,000万円)以上となる場合、監理技術者等はこれらの工事現場に専任の者でなければなりません。

 

 

2.営業所の専任技術者

 建設業許可における専任技術者となっている技術者は、原則として営業所で技術的指導をすることが求められ、現場に配置する技術者となることができません。例外的に上記の現場専任性がない金額の工事で、なおかつ営業所から近い工事現場に限っては現場配置が許されています。

関連記事 営業所の専任技術者は現場の配置技術者になれるのか

 

 

3.指定業種の特定建設工事

 指定7業種(土木・建築・管・電気・舗装・鋼構造物・造園)における元請の工事金額が4,500万円(建築一式は7,000万円)以上となる特定建設工事については、監理技術者を配置しなければならず、資格要件として1級の国家資格または国土交通大臣の特別認定者に限られます。

これらの審査で違反が発覚した場合には、通常は第一段階として後日、建設業法の指導文書が出されることになりますが、違反の内容によってはさらに厳しい処分が課される可能性もあります。技術者の配置については日ごろから法令チェックが大切です。

関連記事 特定建設業許可の要件、現場専任の配置技術者の要件の緩和について

 

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この記事を書いた人

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塩﨑 宏晃

2003年行政書士登録。
建設業許可・経営審査業務の実務経験19年。
行政書士業務を通じて現場で働く方の縁の下の力持ちとなることがモットーです。
近年は建設キャリアアップシステム、特定技能ビザにも取り組んでいます。
お客様は一人親方、サブコン、地方ゼネコン、上場メーカーなど様々。
毎年200社以上のお客様と直接お会いし、ご相談を承っています。
2023年から申請のオンライン化が本格スタートしますので、
これを機に遠方のお客様ともご縁を頂ければと考えております。