経営審査を受ける業種が入札参加資格に影響する

「総合評定値」とは、「経営状況」と「経営規模、技術的能力、その他の客観的事項」における評価項目ごとの評点を一定の計算式にあてはめて算出する総合的な評点のことです。

「総合評定値」は、審査対象業種ごとに算出しますので、入札参加資格申請等で必要となる全ての業種を受審するようにご注意ください。

 ここで注意が必要なのが、経審を受ける許可業種の選択です。ある工事をどの業種で発注されるかは、発注者の判断に委ねられています。例えば、耐震化が目的の外壁改修工事で、工事内容からすると建設業法上はタイル・レンガ・ブロック工事に該当する工事であっても、実際には建築一式工事で発注されるケースが良く見られます。

 この場合には、例え自社に外壁補修の技術力があっても、建築一式の建設業許可が無いことが原因で入札や見積もりに参加できない、という事態に陥ります。

 ただし建築一式工事の許可を取得できるかどうかは、国家資格や実務経験など許可の要件を満たしたうえでのこととなります。自社で受注している工事に合わせて建設業許可を取得したのに、望んでいる公共工事が受注できる機会が無い(=経審が受けられない)という事態も想定できますので慎重な検討が必要です。

 ちなみに既存取引先の与信管理や新規引き合い案件の検討にあたって、公表されている経審結果を参照される方も多くいらっしゃいます。全国共通の公的な評価であるという面で有効な検討材料の一つであると思いますが、企業のリアルタイムの状況が見えるわけではありません。公表されている結果の審査基準日から現在までに経過した期間を考慮したうえで参照して頂ければと思います。経審結果はあくまで補足資料とし、五感と足を使って生の情報を入手し検討をして頂ければと思います。

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この記事を書いた人

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塩﨑 宏晃

2003年行政書士登録。
建設業許可・経営審査業務の実務経験19年。
行政書士業務を通じて現場で働く方の縁の下の力持ちとなることがモットーです。
近年は建設キャリアアップシステム、特定技能ビザにも取り組んでいます。
お客様は一人親方、サブコン、地方ゼネコン、上場メーカーなど様々。
毎年200社以上のお客様と直接お会いし、ご相談を承っています。
2023年から申請のオンライン化が本格スタートしますので、
これを機に遠方のお客様ともご縁を頂ければと考えております。