W点1-⑧ 知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況について

知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況は、令和3年4月の経審改正で新たに追加された項目です。そして令和5年1月経審改正によりW10からW1-⑧に移行されました。建設業に従事する①技術者がCPDを受けることと②技能者が建設キャリアアップシステム(CCUS)でレベルが向上することで加点されます。 「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況」はP点に換算したときに最高値が14.25点となります。W点はW1からW8まで項目があります。そして“知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況”は、W1の⑧の項目です。まずはW点の全体をおさらいしましょう。

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W点その他の審査項目(社会性等)

建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況(W1)

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W1は、①~⑩まで項目があります。

関連記事 W点全体の詳しい解説はこちらでご確認ください。

①雇用保険加入の有無
②健康保険加入の有無
③厚生年金保険加入の有無
④建設業退職金共済制度加入の有無
⑤退職一時金制度もしくは企業年金制度導入の有無
⑥法定外労働災害補償制度加入の有無
⑦若年技術者及び技能者の育成及び確保の状況
⑧知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況
⑨ワークライフバランスに関する取組の状況
⑩建設工事に従事する者の職業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況
(令和5年8月14日以降の日を審査基準日とする申請者から適用)

 

建設業の営業継続の状況(W2)

・営業年数
・民事再生法又は会社更生法の適用の有無

防災活動への貢献の状況(W3)

・防災協定締結の有無

法令遵守の状況(W4)

・営業停止処分の有無
・指示処分の有無

建設業の経理に関する状況(W5)

・監査の受審状況
・公認会計士等の数
・二級登録経理試験合格者の数

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研究開発の状況(W6)

・研究開発費

建設機械の保有状況(W7)

・建設機械の所有及びリース台数

国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(W8)

・ISO9001の登録の有無
・ISO14001の登録の有無
・エコアクション21の認証の有無

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W1-⑧知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況について

知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況は、雇用する技術者や技能者の技能や技術の向上に関する取り組みの状況が評価されます。具体的には①CPD単位取得数と②技能レベル向上者数についてを評価します。どちらも最高10点が加算され、合計で20点が最高点となります。

算出式

Z1 : 技術者数(専任技術者資格を有する者、登録基幹技能者講習修了者、2級技士補若しくは1級技士補の数)
Z2 : 技能者数(審査基準日以前3年間に施工に従事した者の数)
Z3 : 技術者点(Z3 CPD取得状況 評価)
Z4 : 技能者点(Z4 技能者1人当たりの技能レベル向上者数)

 

Z1とZ2について

技術者について

技術者は以前から経審では技術力(Z点)の部分で評価されてきた項目です。監理技術者、主任技術者、一級技士補、二級技士補、または学歴に応じた実務経験がある方が該当します。主に現場を管理するような仕事をする方が該当してきます。

技能者について

技能者は主に現場作業をする方で、職人として活躍するような方です。監理技術者や主任技術者として施工管理のみに従事する方は含まれません。

どちらにも該当する場合

実務経験が10年以上あり、主任技術者として現場の管理もしており、現場の職人として働いている方もいると思います。その場合は技術者としても、技能者としても評価の対象となります。

 

Z3について

審査基準日では、基準日の前1年間において各技術者が取得したCPD単位数(下記※1)を計算します。ただし、CPD単位数は認定団体ごとに異なる数値によって換算されます。計算されたCPD単位数により評点が決定されます。この表から算出された評点をZ3に当てはめます。

 

技術者の継続教育(CPD)とは?

(CPD:Continuing Professional Development)

国土交通省や多くの地方自治体が公共工事の発注の際に業者を選定するための重要な要素として採用されている制度です。技術者が講習会を受講することにより継続して学習し、専門的能力を維持・向上させることが目的です。CPDの対象者は、建築施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士、その他の施工管理に携わる技術者です。施工管理を仕事とする技術者であれば資格の有無は問われません。

 

CPD取得単位数(※1)

CPD取得単位数は、建設業者に所属する技術者が取得したCPD単位の合計数になります。

具体的な計算方法は、技術者が審査基準日以前の1年間に取得したCPD単位数を、所属しているCPD認定団体が設定した数値(下記参照)で割ります。その結果に30を掛けた数値が、技術者のCPD取得単位数となります。小数点以下の端数は切り捨て、30を超える場合でも30として計算されます。


計算式:CPD単位数 ÷ (※2) × 30
※下記CPD単位認定団体の( )内数字を当てはめます

 

CPD単位認定団体(※2)

CPD認定団体とは、建設関係の資格認定団体であり、資格取得後の継続的な教育プログラムや講習会等を提供しています。認定団体によってプログラムの内容や取得にかかる時間数や難易度が異なるため、統一的な基準で評価できるように団体ごとに数値が設けられています。

(50)公益社団法人空気調和・衛生工学会
(12)一般財団法人建設業振興基金
(50)一般社団法人建設コンサルタンツ協会
(50)一般社団法人交通工学研究会
(50)公益社団法人地盤工学会
(20)公益社団法人森林・自然環境技術教育研究センター
(50)公益社団法人全国上下水道コンサルタント協会
(20)一般社団法人全国測量設計業協会連合会
(20)一般社団法人全国土木施工管理技士会連合会
(25)一般社団法人全日本建設技術協会
(50)土質・地質技術者生涯学習協議会
(50)公益社団法人土木学会
(50)一般社団法人日本環境アセスメント協会
(50)公益社団法人日本技術士会
(12)公益社団法人日本建築士会連合会
(50)公益社団法人日本造園学会
(50)公益社団法人日本都市計画学会
(50)公益社団法人農業農村工学会
(12)一般社団法人日本建築士事務所協会連合会
(12)公益社団法人日本建築家協会
(12)一般社団法人日本建設業連合会
(12)一般社団法人日本建築学会
(12)一般社団法人建築設備技術者協会
(12)一般社団法人電気設備学会
(12)一般社団法人日本設備設計事務所協会連合会
(12)公益財団法人建築技術教育普及センター
(12)一般社団法人日本建築構造技術者協会

 

Z4について

審査基準日では、基準日の前3年間において能力評価基準で1以上のレベルアップを達成した建設技能者の割合を計算します。

上記計算結果を下の表に当てはめZ4の評点を算出します。

 

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