建設業に従事されている皆さま、日々の業務においては、現場作業が中心となり、経理や勘定科目についてはあまり馴染みがないかもしれません。本日は、そのような皆さまにもぜひご理解いただきたい『貸借対照表 純資産の部』についての、解説をさせていただきます。
今回は『入門編』として、各項目を簡潔にご解説しておりますが、『さらに詳しく知りたい』『この部分が理解しづらい』といったご質問やご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
純資産の部① 株主資本について
資本金とは?
会社法第445条第1項及び第2項、第448 条並びに第450 条の規定によるものをいいます。会社を運営するための元手となる資金で、株主や投資家からの出資金や経営者の自己資金を指します。
新株式申込証拠金とは?
申込期日経過後における新株式の申込証拠金をいいます。決算期末時点で資本金に振替えられていない新株式の申込証拠金は、資本金とは別区分で計上します。
資本剰余金とは?
資本準備金とは?
会社設立時に払い込まれた資金のうち、資本金として計上しなかった金額の累積をいいます。事業の赤字発生などに備えておく資産です。
その他資本剰余金
会社設立時に払い込まれた資金のうち、資本金として計上しなかった金額の累積をいいます。事業の赤字発生などに備えておく資産です。
利益剰余金とは?
利益準備金
会社法第445 条第4 項及び第451 条の規定によるものをいいます。会社法で定められている法定準備金の一つで、企業が利益剰余金の一部を積み立てるお金です。
その他利益剰余金
資本剰余金のうち、資本金及び資本準備金の取崩しによって生ずる剰余金や自己株式の処分差益など資本準備金以外のものをいいます。差益が出た場合は、その他資本剰余金は増加し、差損が出た場合は、その他資本剰余金は減少します。
繰越利益剰余金
繰越利益剰余金の残高は利益の累積であるため、複数年の企業の経営成績を把握することができます。企業の純資産の増加を反映し、長期的な成長や発展を支える基盤となります。
自己株式とは?
会社が所有する自社の発行済株式です。自己株式の買い戻しを通じて、資本構成を最適化するメリットがあります。
純資産の部② 評価・換算差額について
その他有価証券評価差額金とは?
時価のあるその他有価証券を期日末時価により評価替えすることにより生じた差額から税効果相当額を控除した残額をいいます。売買目的や満期保有目的ではない有価証券や、合資会社や合同会社への出資、持ち合い株などの時価評価の差額を、貸借対照表の純資産の部に記載します。
繰延ヘッジ損益とは?
繰延ヘッジ処理が適用されるデリバティブ等を評価替えすることにより生じた差額から税効果相当額を控除した残額をいいます。デリバティブとは、金利、為替、株価などの価格変動に基づいて行われる取引やその商品を指します。
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純資産の部③ 新株予約権について
株式会社の株式を一定の条件のもとで取得できる権利です。新株予約権は、将来的な株主からの出資金となる可能性があるため「純資産」に区分されます。
今回は『入門編』として、各項目を簡潔にご解説しておりますが、『さらに詳しく知りたい』『この部分が理解しづらい』といったご質問やご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。